SDGs紙芝居

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うらしまじろう

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うらしまじろうのおはなし

 

昔、浦島太郎という漁師がいました。太郎は、砂浜でいじめられていたカメを助けたお礼に、海の中の竜宮城に連れて行ってもらいました。夢のような暮らしが長く続き、帰りに玉手箱をもらいました。砂浜に戻ると、親も友達も誰もいません。玉手箱を開けると、浦島太郎はおじいさんになった、と言うお話でした。今から話すのは、浦島太郎とは別の人の「うらしまじろう」のお話です。

 

ある日、砂浜を歩いていたうらしまじろうは、泣いているカメを見つけました。「どうしたんですか?」うらしまじろうはカメに言いました。

 

カメは言いました。「手に釣り糸がからまってとれなくなったのです」。うらしまじろうは、カメに絡まっていた釣り糸をとって、包帯を巻いてあげました。カメは、お礼を言って、海に帰っていきました。

 

それから何日かたって、うらしまじろうは、またカメが砂浜で泣いているのを見つけました。「今度はどうしたんですか?」カメは言いました。「食べたクラゲがのどにひっかかって取れないんです」。よく見ると、カメの喉にひっかかっていたのは、小さな赤いくしでした。うらしまじろうがそれを取ってあげると、カメはお礼を言って、海に帰っていきました。

 

そんなことが続いたある日、うらしまじろうは村人たちを集めて、言いました。「この中にカメを傷つけたものがおる」。村人たちは顔を見合わせて、言いました。「私はカメを傷つけてなんかいませんよ。三郎さんじゃないですか?」「いえ、私もそんなことはしませんよ。四郎さんじゃないですか?」「いえいえ、とんでもない。五郎さんじゃないですか?」そして、最後に、村人たちは口をそろえて、こう言いました。「いったい誰がそんなことをしたんですか?」

 

うらしまじろうは、みんなのことをじっと見つめて言いました。「カメを傷つけていたのは、わしたちみんなじゃ」。

 

うらしまじろうは傷ついたカメのことをみんなに話しました。村人たちはそれぞれ思い当たるところがありました。

 

その日の夜、村人たちは夜遅くまでカメを傷つけないようにするにはどうしたらいいか話し合いました。「釣りをしたら、ちゃんと、あと片付けをして帰ろう」。「みんなで浜辺のゴミ拾いをしよう」。「川辺に住んでいる、となり村の人たちにも、川にゴミを捨てないように協力してもらおう。川は海につながっているからね」。村人からはいろいろな意見が出ました。次の日から、村人たちは話し合ったことを少しずつ行っていきました。すると、しばらくして、村の砂浜では、泣いているカメをみることはなくなりました。

 

お礼にうらしまじろうや村人たちが竜宮城に招かれたかはわかりません。もし、招かれていたとしたら、海の中は大騒ぎだったかも知れません。

おしまい。